ULTRAARTS(ウルトラアーツ) | ウルトラアーツファンのための特別情報サイト

ウルトラアーツファンのための特別情報サイト

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

2021.12.03

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

光の巨人、タイプチェンジ!
「S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプ」現る! 真骨彫製法ティガシリーズ 第2弾となるパワータイプは“もうひとりのティガ”でもあるス―ツアクター・中村浩二氏を起用。新たに中村氏をスキャンすることで、マルチタイプと異なるマッシブなフォルムを実現している。今回の真骨彫製法はいかに生み出されたか? 『ウルトラマンティガ』撮影時のエピソードとともに、中村氏に語ってもらった。中村氏の盟友にして、監修を担当している円谷プロ・福井康之氏にも参加いただき、ティガパワータイプに迫る!

■S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプ

――実物を目の前にして、感想はいかがですか?

中村:最初に見た時から「あ、俺だ」と思いましたね。本当に素晴らしい。今で言うと“マッシブな”という表現かな。それこそ当時、25年前には出てこなかった表現ですけど(笑)。新しいウルトラマン作品が作られている中で、今では新しいウルトラ作品にマッチョなウルトラマンが普通に出てるのがなんだか笑えますよね。それにしても、かっこいいですよね。もちろん権藤君のマルチタイプもかっこいいんですけどね、立ち姿がやっぱりいい。自分で言うのもなんですけどね(笑)。

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

――今回の商品化について率直な感想をお聞きしてもよろしいでしょうか?

中村:フィギュアに関して、マルチタイプの権藤君がメインになることが多いですよね。まさか僕に話が来るとは思ってなかったので、商品化を聞いた時はちょっとびっくりしました。もう今回が初めてですから。正直、僕でいいものか、実際問題として商品として売れるか、売れないか。つまりお客さんが求めてるのか、ちょっと不安なところはあります。

――これまでの商品化ではパワータイプはマルチタイプの色替えが多かったですが、S.H.Figuarts(真骨彫製法)では“本物”を追求して、中村さんにお願いさせていただきました。

中村:骨格含めて、自分の体型が表現される。それは技術的にもすごいですよね。それこそ映像や写真などから見た目で作られるフィギュアは世の中にたくさんありますが、骨格からなんて、僕らの頭にはなかった事なので、驚かされました。

――実際のスキャン作業はいかがでしたか?

中村:権藤君から話は聞いていましたが、ポーズ、素立ち、構えなど、細かなスキャンをどう撮るのか、現場に行くまでわからなかったんですよね。実際はワンポーズごとにとても丁寧に、時間をかけてもらいました。逆に言うと、ちょっと大変な部分でもあったんですけど(笑)。一方で「これはもう出来上がりが楽しみすぎない?」と思って気合いが入りました。

福井:今回で2度目ということもあって権藤さんのスキャン時よりもスムーズにいったのではないでしょうか(笑)。

――中村さんにとって、久しぶりの“ティガ”だったと思いますが、スキャン時は当時のポーズをすぐに再現できましたか?

中村:僕はアクションをやっていますからね。ティガのファイティングスタイルは、格闘時の構え、イメージをそのままなので、そんなに苦労はなかったです。でも25年ぶりですからね。腰の踏ん張りなど細かな部分はちょっと修正……やっぱり作品を見返してですね(笑)。思い出しながらの部分もありました。

――ゼペリオン光線のポーズもとられましたよね?

中村:「足はどっちだっけ?」など、ああだ、こうだやったような気がします。お恥ずかしい話(笑)。

福井:光線ポーズひとつとっても、劇中のお芝居の流れでやっているので、毎回違うところもありますからね。当時、中村さんがどのように考えて、表現されたかによりますよね。

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

中村:スキャンの時は、構え自体からパワータイプとして、しっかりと地に着いたポーズを意識しましたね。あと劇中での手の握り方として、普通に握るだけでなく、気持ち中指を出しながら握る拳にしました。手をスキャンする時、「パワータイプの握りはこうしてますよ」と。細かい部分ですけど、真骨彫でも採用してもらっているので、わかる人にわかってもらえるといいですね。

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

――拳の形は何か意識した格闘技などあるのでしょうか?

中村:空手であるんですよね。倉田の、この握りなんですよ。所属事務所の社長…と言いますか、師匠が倉田保昭(※国際的アクション俳優。香港映画にも数多く出演し、“和製ドラゴン”の異名を取る)なんですけれど、この握りなんですよ。で、ちょっと印象を与えるために。ヒーローの定義はいろいろあると思いますが、自分ならではのポイントを作る意味での拳でした。「誰がやっても同じではないよ」ってところを作品内に盛り込めるように考えながらやっていました。

――開発時、どのような監修をされたのでしょうか?

福井:今回、開発チ―ムにお願いしたことがひとつありまして。通常、原型の確認作業はグレーで塗られたモデルを使うんですよね。ただ、それでは体の模様に対しての造形の見え方などがわかりづらかったんです。中村さんは今回、フィギュアの監修が初めてとのことで、特にわからないだろうと思って。無理を言って、彩色状態でチェックさせてもらいました。

中村:当初、色を塗ってない状態で、福井君とスタチュー原型を担当した成田穣さん、あとBANDAI SPIRTISさんが脚の長さやバランスを話していたのですが、ちょっとわかりづらかったんですよ。

――中村さんは監修時、どのあたりのことを気にされましたか?

中村:それこそ当時のスチル写真を見ながら、ウエストのライン、太もも、お尻の部分など、均等のとれた、上半身と下半身のバランス調整をお願いしました。胸は結構厚みが出てるので…など、お話しながら、いいようにやらせてもらいました。でも、実際の見た目をそのまま作ることも大事かもしれませんが、やはり最終的にファンが手に持った時に、かっこよかったり、「おっ」とか「うおおおっ!」と感動や驚きが思わず声に出てしまうようなものが最終的に出来上がってほしいと思っていました。

福井:造形的には、“パワータイプ”というワードのイメージに引っ張られて極端にならないようにバランスをしっかり見させていただきました。例えばサイドビューの胸の一番トップになる箇所が初期原型だとちょっと配置が上すぎたので、少し下げてもらったり。首も初期はちょっと沈んだ感じになっていたので、もっと首が見えるように修正を加えました。

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

■ウルトラマンティガ

――当時、ウルトラマンティガのデザインについて、どのような印象を持たれましたか?

中村:ウルトラマンと言えば、シルバーと赤のイメージがありますが、最初のマルチタイプはパープルが入っている。最初は「え? これが画期的なのか?」と、ちょっと戸惑いがありました。でも実際にスーツを着て立ってみると、シャープな感じがして。この色合いがベスト、デザインもやっぱり素晴らしいと思うようになりました。顔が小さくて、僕らは身長があるので、スタイルが良く見える。オーディションの条件として180㎝以上の人を集めたそうですが、やっぱり先見の明があったと思います。

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

――一方でパワータイプはウルトラマンらしいカラーリングですよね。

中村:はい、赤とシルバーの。その中で胸の鎧みたいデザインが効いていますよね。それと赤とシルバーだけではない、ゴールドも何層か重ねてありますし。アクション時には動きづらいですけど、デザイン的には素晴らしいと思います。

――パワータイプはプロレスっぽい技もあり、多彩な戦い方も特徴的でしたよね。

中村:プロレス系はたぶんダイナ、ガイアあたりから多くなってきてるんですね。僕は、ティガパワータイプは打撃系だと思っています。

――たしかに電撃パンチなどもありました。

中村:殺陣師として二家本辰己さんがいらっしゃって。二家本さんと言えば、それこそウルトラマンレオ(のスーツアクター)。で、殺陣をつける時、そばで見ていたり、どう動くか、最初にやるわけですよ。怪獣の特徴に合わせてパンチをこう、ジャンプをこうしようと話している時、「そこを3発殴らせてください」とか、「ここは後ろ蹴りにしてもいいですか」とか、打撃系にこだわりました。ヒーローキャラクターなので、基本の構えは同じなんですよ。これはたぶん崩せないと思うんですけど、「僕がやるからには」を考えて、芝居上、構えを解いたりとか、間合いを計ったり。そこからどうやったら蹴りに繋がるか、どうやったらパンチに繋がるか、怪獣に合わせた倒し方ですね。やっぱり視聴者、ファンの人たちにとって怪獣をやっつけるか、もしくはウルトラマンがやられるかは見せ場だと思います。もし、ウルトラマンがやられたら“地球は終わり”な世界じゃないですか? ゴルザみたいな怪獣は、脚とかすごいでしょう? 蹴っても跳ね返されるんですよ。だから僕もウルトラマンティガである時は、本当にガチで蹴り込んだり、殴ったりしてましたよね。もう中の人をへし折るくらいの勢いで「ゴーン!」って(笑)。

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

――アクションシーンは絵コンテも緻密にして詳細だったようですが?

中村:そうですね。香盤表がもう1マスを半分にして描き込んであるくらい。「もう終わんねえだろ」くらいのカット数(笑)。当時、フィルム撮影で、照明も強く、空調も使えないので暑く、飾りもすごくこだわっていただいて、時間もかかったし。アクションシーンを何度もリテイクせずにすむように、用意スタートからオッケーまで一回で終わらせるように集中してやった覚えがありますよね。何回もやるとセットも作り直さなきゃいけなかったりで、時間も費用もかかりますからね。

――劇中でのウルトラマンティガは中村さんと権藤さんのダブルキャストですが、スーツアクターがふたりいることの難しさはありましたか?

中村:現場ではずっとふたり一緒でしたからね。彼が出てる時は僕が補助をして、僕が出る時は彼が補助をして。それこそ(スーツの)チャックの上げ下げから全部。ふたりで同じキャラクターを共有、ふたりで一緒に作った部分が大きいですね。お互いの動きを見ながら、次は自分もこうしようと。ああしよう、こうしようみたいな話はほとんどなかったかもしれませんが、お互いに信頼関係が自然に出来ていたので。タイプチェンジをするので、キャラクターを活かすためにも良かったと思います

――ライバル意識などはなかったのでしょうか?

中村:権藤君のアクションはスタイリッシュで、僕はパワフルなアクションでお互い刺激につながれば。僕も権藤君もそうだったんですけど、アクション俳優なので、これまで面をつける撮影はほとんどなかったんです。撮影に馴染むまでが大変でした。

――中村さんならではのティガの魅力、チャームポイントは、どこだと思われますか?

中村:どこでしょう(笑)。当時、自分がやるウルトラマンは、今までと違ったアクションであったり、怪獣に立ち向かう姿勢、表現であったり、何か自分ができるものを一生懸命出そうと必死でした。オーディションで監修の高野宏一さんから「1年やったら痩せるぞ」と言われたんですけど(笑)。僕の中では、そう言われると反骨精神じゃないですけど、逆に「体を作ってやるぞ」みたいな風に思いながらやっていて。それこそダイナからガイアにかけて平成三部作を通してですね。で、最終的にガイアが一番でかくなっちゃったっていうのがありますね(笑)。

――福井さんから見たティガとしての中村さんの魅力はどう思われますか?

福井:権藤さんとはやっぱり対極的で、何というか……。

中村:困ってる(笑)?

福井:均等のとれたレスラー体型ですかね。これは当てはまるかちょっとわからないですけど、権藤さんはどちらかと言えばスイマー体型。

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

中村:まあ、(体型には)ファイトスタイルの違いもありますからね。

福井:それぞれの個性が作品の中に反映されていると思います。

■25周年として

──あらためて中村さんにとって『ウルトラマンティガ』はどのような作品だったのでしょうか?

中村:当時は20代後半でした。アクション俳優をやりながらカメラの前に立つことは多々ありましたけども、ティガはヒーローじゃないですか? それこそ何十年経っても子供たちが見て育つ分野なので、いつまでも心に残るヒーロー像を演じた記憶があります。立ち振る舞いやお芝居、表現。すべての経験がすごいプラスになりましたね。表情こそマスクで覆われていましたが、中では気持ちや感情をしっかりと出していました。だから、マスクのない作品、素顔で出演する際にも、すごく身になっています。 それこそティガの頃は前が見えづらい状態でアクションをしていましたからね。面を取ったらもう、目を瞑ってもできるみたいな(笑)。

S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー

――中村さんにとって大切な作品なんですね。

中村:『ウルトラマンティガ』は平成最初のウルトラマン、そして僕らが最初にスーツアクターとしてカメラの前に立った作品ですからね。実際にアクターをスキャンする真骨彫シリーズとしても、最初の企画として(ティガが)立てたことは、自分としても自慢できることだと思います。有識者もたくさんいらっしゃって、本当にみんなが協力し合って作った感がすごくあります。普段はこういうフィギュアの世界に関わることはなかったのですが、大人が何人も何人も関わっていることがわかりました。 世の中にはいろんなフィギュアがありますが、手に取る時は、ひとつひとついろんな魂が入ってるなと考えるように、魂が入ってるなと思うようになりましたね。

──では最後に当時のファンと、そしてこのフィギュアを手に取ってくれるファンへメッセージをお願いします。

中村:『ウルトラマンティガ』は25年周年を迎えました。今でも「ティガのファンでした」という声も色んなとこからお聞きします。時を超えて素晴らしいフィギュアが出来上がったので、ぜひ手に取ってもらいたいです。あの頃、作品を観てた世代は当時を想い出しながら。そして、あらためてティガを知る世代は、ふたりのアクターがしのぎを削って作った作品を感じてもらえるといいですね。本当に感謝しかないです。

福井:パワータイプでは腕の付け根、胸筋周りのシワ等もこだわって再現しています。ぜひ、細かな造形にも注目してもらえれると嬉しいですね。あとはやっぱり手の表情。全体のフォルムは、これ以上言うことがないくらい素晴らしいと思います。

――ありがとうございました。

  • S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー
  • 中村浩二(なかむらこうじ)
    ■PROFILE
    1967年生まれ。倉田プロモーション所属。アクション俳優。平成ウルトラマン三部作において権藤俊輔氏とともにティガ、ガイア、ダイナのスーツアクターを担当。『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』、『BLACKFOX: Age of the Ninja』など坂本浩一監督作品にも多数出演している。
  • S.H.Figuarts(真骨彫製法)ウルトラマンティガ パワータイプインタビュー
  • 福井康之(円谷プロダクション LSSチームマネージャー)(ふくい やすゆき)
    ■PROFILE
    1968年生まれ。『ウルトラマンネオス』パイロット版に造形・キャラクターメンテナンスとして参加。以降多くの円谷プロ作品に携わる現在円谷プロダクションの造形部門であるLSSチームの代表。
Cookie Settings